概要
突然ですが、「ローコード」という言葉をご存知でしょうか?
「ローコード」とは最近話題になっている開発手法で、0 からコーディングを行うよりも少ないプログラムコードで開発が行えることをメリットとしているものです。
こちらの「ローコード」ですが、プログラミング言語を駆使してソフトウェア開発を行なっている方などにとってはあまり使用するタイミングなどはないのではないでしょうか?
ただ、今後デジタル技術が大きく発展していったり AI がものすごく発展することで、プログラマーなどが行なっているプログラミング言語を利用したソフトウェア開発の仕事は少なくなり、ローコードもしくはノーコードによるアプリ開発が主流になるのではないかという話もちらほら聞きます。
そんな中、ビジネスアプリケーションをローコード開発することができるフレームワークが OSS として公開されていましたので、今回はこちらについてご紹介いたします。
今回ご紹介する OSS は、ビジネスアプリケーションを構築するための拡張可能なローコードフレームワーク「ToolJet」になります。
こちらの「ToolJet」を使用することで、簡単にアプリケーションを誰でも作成することができます。
それでは早速詳細についてみていきましょう!
目次
特徴
「ToolJet」自体は TypeScript/JavaScript で作成されている OSS になります。
大きな機能としては、データベース、クラウドストレージ、GraphQL、API エンドポイント、Airtable などに接続することができ、ドラック & ドロップによってアプリケーションを構築することができます。
またそのほかにも、以下の特徴が紹介されていました。
- Tables、Charts、Lists、Forms、Progressbars などの 40 以上の組み込みのレスポンシブ ウィジェットを内包
- 40 以上のデータソース:データベース、クラウドストレージ、API に接続可能
- デスクトップとモバイルアプリ作成に対応
- セルフホスト可能(Docker、Kubernates、Heroku、AWS EC2、Google Cloud Run など)
- プラグイン拡張を、コマンドラインツールを使用して取得可能
- バージョン管理により、すべてのアプリケーションを適切なリリースサイクルを保持可能
- JavaScript スニペット機能搭載により、JavaScript のコードを実行することが可能
- SSO プロバイダーをサポート
など、数多くの機能・特徴が挙げられています。
すべての機能・特徴について把握したい方は、以下の README.md の「All features」を参照してみてください。
利用手順
「ToolJet」を利用するにはさまざまな方法でアプリを立ち上げることで利用でき、主要な技術(Docker)や主要なクラウドベンダー上で利用することができるとのことです。
こちらでは主なものについて挙げましたが、より詳細について把握されたい方は以下のドキュメントを参照ください。
使用感
実際に私も「ToolJet」を自分のパソコンにインストールして動かしてみました。
今回は Docker 経由でインストールしました。
docker run \ --name tooljet \ --user root \ --restart unless-stopped \ -p 3000:3000 \ -v tooljet_data:/var/lib/postgresql/13/main \ tooljet/try:latest
Docker コマンドを入力後、http://localhost:3000/ へアクセスすると、「ToolJet」のホーム画面へ遷移します。
サンプルユーザーとしてログインするなら、以下のユーザー名、パスワードでログインします。
- ユーザー名:
dev@tooljet.io
- パスワーd:
password
ログインすると、アプリ開発画面が表示されます。
新規でアプリを開発するには、以下の「Create New Application」ボタンを選択します。
アプリ画面を開いた後は、右側メニューから必要なコンポーネントをアプリ画面にドラッグ & ドロップして配置します。
必要なコンポーネントを配置した後は、右上の「Release」ボタンを選択することでアプリとしてリリースし、さらに「Share」ボタンを押すことで、Web アプリとして一般公開することができます(今回は Docker 上で動かしている、かつ localhost で動かしているのでこの表記ですが、正式版として公開する場合はきちんと URL を設定する必要があります)。
こちらで一通りローコードでアプリを作成し、リリース・公開することができました。
上記は簡単にフロント側でアプリを作成しましたが、そのほかにも左側のメニューの「Sources」から連携するデータベースや API などを選択することができるので、作成できるアプリの幅が広がりますね。
まとめ
今回は、ビジネスアプリケーションを構築するための拡張可能なローコードフレームワーク「ToolJet」をご紹介しました。
ローコードでアプリを開発することができるということだったのですが、確かに簡単にテキストやドロップボックスを作成することができました。
ここでは紹介していませんが、データベースや API と連携することもできますので、比較的大きく複雑なビジネスアプリも作成することができそうです。
まだ新しい OSS アプリということで日本語記事なども多くはないですが、ローコードでアプリを開発してみたいという方や興味がある方は、ぜひ一度こちらの OSS「ToolJet」を触ってみてはいかがでしょうか。
ライセンス
GNU Affero General Public License v3.0